140SS【一撃】〆

『押し倒す』
思いの外精巧に造られている、それがふと思った事。
外皮は毛穴や肌理のような凹凸があるし、眉や睫毛の生え方は不規則になってるし、
より人間に近い印象が見「先生から俺を…いつもより大胆ですね」
いや違うし押し倒したとかそんなんじゃないしお前が変な所に雑誌を置…いいですよじゃねぇドヤ顔すんな

というわけで、主婦力高い弟子が先生が読んでた雑誌置きっぱにする訳なぞ皆無なのでダウト
あえて先生が踏みそうな所に置いてすっ転ばせてあわよくば、というあたりの小話

『髪を撫でる指』
「あーあ、この辺も焦げてら」
「そんなに酷いですか」
「うん、ゴワゴワ」
頭部の加圧センサは毛髪を引いたり押し潰されていることを示す
「綺麗な髪してんのにもったいねぇなー」
「換えならまた」
「効かないものもあんの。頭と、ココもだろ」
髪を撫でられた瞬間、無くした筈の心臓が跳ねた

ジェノス君は脳核とコアだと思ってる
先生は思い出と気持ちだと思ってる

『何を今更、』
「お前俺のこと好きなの?」
「…は?」
週2でメシ食うじゃん、買い物とか映画見るだろ。で、お前酒飲むと俺に絡んでくるじゃん。すげー勢いで。
「どう見てもデート「のつもりで誘ってたんだが」
「えっ」
「言ったよな、付き合ってくれって」
「え…」
「…呆れた、サイタマお前覚悟しとけ」

この後無茶苦茶ry
買い物や飯に付き合う感覚のセンセと
一世一代の大勝負で告白なゾンさんと

『舌で掬う』
額から滲んだ汗が黒々とした短髪に吸われ、珠になって米神を伝い落ちる。
行為中の小休止。逃げ場のない熱を少しでも遣り過ごしたくて、気を逸らせられるならなんでも良い。
見つめた滴は頬から顎、やがて首筋から鎖骨へ流れる。
雫は、甘くもなく、苦くもなく。
「あんま煽んなよ、センセ」

しょっぱいってことは、まぎれもなくいきているということ

『だいたいあいつのせい』
肉か魚か、野菜の茹で加減。
布団なのかマットレスなのか、枕の高は。
アレを切り出すタイミング、ーー体の相性。
食欲、睡眠、性欲。
ヒトが有する基本的、かつ最大の欲求。
一つ一つの好みや理由、大切さなんかを考えるようになったのは、だいたいこいつのせい。

「お前のせいで眠れなかった」
なぁ、こっち見て言えよ。

眠れなくなるほど何をしてたのか

『素晴らしく救われないだけの、恋愛話』
『お前が好きだ、愛してる』
面と向かって告げようが、街中で叫ぼうが耳元で囁こうが、同意の言葉が返って来た事は一度も無かった。
283日含め今日で5千飛んで12日目、今日も御影石は応えない、応えてくれる訳もない。
追いかけようにも、たどり着けない。
ほんと、性質が悪いったらありゃしない。

死ねない男と、死ねた

一行の空白
飯行くか

Re:
悪い、明日なら

Re:Re:
了解、じゃ6時駅前

Re:Re:Re:
肉食いたいな

Re:Re:Re:Re:
焼肉さゝ木

Re:Re:Re:Re:Re:
マジかよさすがゾンビマンさん愛してる

Re:Re:Re:Re:Re:Re:
おう

遅れんなよ

意識してない先生はサラッとそういうこと言えちゃうタイプ。
意識しちゃうゾンビはなんとも言えない感じに。「俺も」とか言えない。
蛇足ですが。私の中で先生は持ってるとしたら二つ折りケータイのイメージ。両手打ち。
ゾンさんの場合は誠に不本意な形で常に最新式、人差し指でNOTフリック。

『箝口令』
A市壊滅事件の犯人。謎の大型飛行物体。やって来たのは全宇宙の覇者。
俺が(表向き、S級ヒーロー達が)倒したはずのそいつは、じつは生きていて。
現在は一般人に混ざって生活していくつもり(でも全然浮いてて)そして、
「私は(俺の)運命の赤い糸」とか言ってるのは、多分誰にも言ってはいけない。

前宇宙の覇者、再び襲来

『マスカットキャンディ』
欠伸を一つ、背後で一つ。
「なんだ、宇宙人も欠伸すんだな」「所詮整理現象だ」
「へぇ。あ、やっぱ涙も出るんだな」「まぁな」
割とどうでもいい様な事だった。けど何となしに覗き込む。
「なんだ」「いや?」何かに似てる。薄い膜が揺れ、反射した緑が煌めく。
(…あぁ。飴玉か、)
気が付けば、舌を

せんせいはそんなことしない、と思いつつ書いた
珍しくお題じゃない1本

『ゲッカビジン』(ボロサイ←ジェノ)
「先生。この鉢植えどうしたんですか?」
「あ?あーうん、気づいたら有った」
誰が、いつ、どうして置いたのか、界、門、綱、目、科、属、種、名前は、別名は、
ーーその花の持つ意味は。全て知ってる。全て、全て。知ってる。
「そうですか。」
綻ぶ寸前の蕾を前に俺は。
その瑞々しい茎に、手をかけた。

しっとにくるうお弟子
珍しくお題じゃない1本
※月下美人の花言葉:ただ一度だけ会いたくて