140-SS【弱ペダ荒坂】
ずるいひと(たち)
荒坂黒、それぞれの思惑。
時系列順に黒→荒→坂。
少しづつ積み重ねた大切な其れは、ほんの僅か紙一重の差で掌から溢れ落ちた。
いつもだ。
俺はアンタの背を追ってばかりで、やっとの思いで並んだ瞬間千切られる。
…そうだ、手に入らないなら奪えばいい。
ファーストリザルトなんか要らない、遥か頂を獲る為に手段は選ばない。
ぎゃっぷもえとか言うのを狙った訳じゃねェが、接する時は特別優しく甘やかしてやろうと思った。
怖い人っつわれた第一印象はそう易々と変えられねェ。
だから、隠した。
爪食い込ませて牙突き立てて、滅茶苦茶にしてやりたい衝動必死で抑え込んで。
なァ、今の俺はどう見えてる?
怖かった筈のあの人が与えてくれたものは、いつだって柔らかくて温かいものばかり。
別に不満な訳じゃない。
それ以上にこの人が少しずつ何かを奪っていって、冷んやりとした刺激で僕は満たされていく。
頭の中では警鐘が鳴り止まない。
けど、もう少しだけ、このままで居させて。
言うと思った
どこ行く?つったらアキバがいいとか、カラオケ行きゃヒメヒメ一緒に歌いましょうとか、
なに見る?って聞くと今季のアニメがって始まるし。
ロード走らしゃ登りたがるわ、平坦引きゃア褒めちぎられるし。
全部分かっちゃいるけど、それでも確認する俺も大概どうかしてンだなァ。
Title
Item inner text here